ニュースや噂では聞いたことのあった、入居者様のスタッフへのセクハラ行為。
実際には見たことはなかったのですが、とうとう目の当たりにすることになりました。
私は男性ですので、被害はないのですが、セクハラ被害は、陰でひっそりと行われていたのでした。
日に日にエスカレートしてくるセクハラ行為に、とうとう女性スタッフから苦情が出てくるようになったのです。
今回はそんなセクハラおじい様のお話をしたいと思います。
見た目ダンディなおじい様

入居されたときから歩行が困難で車いすで生活され、排泄介助が必要なおじい様。
それ以外は、いたって普通で、お話するのが大好きで、丁寧な言葉づかいで私たちに挨拶してくださり、何をするにも「ありがとう」と言ってくださる好印象なおじい様でした。
対応したスタッフたちも好印象で「いい入居者様で良かったね」なんて話するほどでした。
1ヶ月ほどして女性スタッフから
入居されて1ヶ月が過ぎたころ、女性スタッフから、「あのおじい様、移乗する時腰に手を回してくるんだけど」という話が出てきて、ほかの女性スタッフからも同じ情報が出てきたのに、男性スタッフにはそういう行為はなかったので、若干不審に思いつつも、「女性の移乗は少し怖い」とおじい様が言っていたということなので、この時は、怖いから腰に手が回ってしまうんじゃないか
という結論に落ち着きました。
うちの女性スタッフたちも、腰に手を回すくらいならべつに何とも思わないスタッフたちなので、ただ単に、移乗しにくいということから出てきた話でした。
それからまた1ヶ月が経つと…
それからまた「最近あのおじい様、お尻触ってこない?」と複数の女性スタッフからの情報が。
で、女性スタッフが優しく注意すると、「怖くてどうしてもあなたにつかまってしまう。お尻に手が当たっていたなら申し訳ない」と紳士的に謝罪してくるとのこと。
そういわれてしまうと、スタッフも仕方ないのかなと流してしまうらしい。
ただ、これくらいの時期から言葉のセクハラのようなものが出てきたとのこと。
- 「毎晩旦那さんとXXXしてるんでしょ?」
- 「一人暮らしならXXXばかりかな?」
- 「男性器はどんなのが好き?」
などと、排泄介助中や入浴介助中に話しかけてくることが増えてきたと、女性スタッフからの苦情が出てくるようになってきました。
そういう面を見せるのが女性スタッフの時だけで、私たち男性スタッフにはものすごく紳士的に接してこられるので、男性スタッフからすると、ちょっと信じられない話でした。
できるだけ男性スタッフがお世話することに
それからというもの、女性スタッフから「できるなら男性スタッフがしてほしい」という意見が出てきたのでなるべくそのおじい様のお世話は男性スタッフがすることになりました。
もう本当に男性スタッフのときは紳士的で、なんだったら好きな利用者様の部類に入るくらい男性スタッフスタッフからは、好評でした。
ただ、どうしても女性スタッフがお世話する時には必ずと言っていいくらい、下ネタのお話をしてくるそうなんです。
軽く考えていた施設長
どうしても収まらないセクハラ行為は、施設長の耳にも入っていたのですが、施設長も男性で、施設長に対しても紳士的で、「セクハラ言ってもそれくらいならと」適当に軽く女性スタッフからの苦情を受け流していたんです。
まぁ、それくらい男性スタッフには紳士的なおじい様だったのです。
エスカレートしていくセクハラ行為

施設側もそんなに重く受け止めていなかったこともあり、おじい様のセクハラ行為は続くのでした。
しかも、男性スタッフがメインでお世話するようになって、たまに来る女性スタッフにあからさまなセクハラ行為が行われるようになっていたのです。
男性スタッフがメインになったことが逆効果になったみたいです。
すべて男性スタッフがお世話できたらいいのですが、どうしても女性スタッフが行かなければいけない場面が出てくるのです。
そういったタイミングを「待ってました」とばかりにセクハラ行為が行われていたのです。
排泄介助時の異常なセクハラ
エスカレートしてしていくセクハラ行為も異常性が増してきます。
おむつ交換の時に女性スタッフが解除の際、おむつを外すとすでに勃起されており、「陰部がかぶれて痒いんだよ。薬を塗ってくれませんか?」
といって、薬を塗っている女性スタッフの顔を見つめながら鼻息を荒げたり、「ぼくのあそこはどうですか?」なんて最悪な言葉も出てくるように。
女性スタッフの時だけ薬を塗ってほしいとおっしゃられるのです。
そろそろ女性スタッフも精神的な限界を迎えてくるのでした。
お風呂介助で我慢の限界を迎える
女性スタッフたちの我慢もとうとう限界を迎えます。
どうしても女性スタッフがお風呂介助しなければいけないとき、おじい様はずっと勃起状態で、必要以上に陰部を洗うように要求してしてくるようになり、しかもボディタッチもあからさまに胸を触ってくるようになってきていたのでした。
ここまで来てしまうとさすがに女性スタッフも拒否し始めます。
ここでやっと、施設として動くことを考えるようになったのでした。
わたしが見た光景
排泄介助をこっそり覗いた光景は鳥肌が立つほどおぞましい光景でした。
いまだにあのセクハラをしている時のおじい様の顔が忘れられないくらいです。
これはさすがに対応しないといけないと施設長に意見しました。
やっと施設としての対応が始まる

ここでようやく施設として対応していくことが決まりました。
セクハラに対する考えの甘さが、招いた結果、辞表を出す女性スタッフが現れてやっと事の重大さに気づいたのでした。
入居者様と施設長との面談
やっと施設長が入居者様と面談することになるのですが、このおじい様、男性には本当に紳士的な態度をとられ、自分がやった行為をすべて否定するのでした。
話は平行線で一切自分のしたセクハラ行為は否定され数時間に及ぶ話し合いは「厳重注意」という形で終わるのでした。
家族を呼んでの面談
そんな「厳重注意」だけでは収束することのないおじい様。
とうとう家族様に今までの経緯を説明して、家族様のほうからセクハラを辞めるようにとの説得をお願いしましたしました。
さすがにおじい様も、自分の息子から怒られると反省されたご様子で、これからは言動と行動には気を付けると約束してくれましたが、かたくなに、セクハラをしたことに関しては認めてくれませんでした。
本人の言い分は、スキンシップだと…。
まさか嫌がられているとは思わなかったと…。
私が見た光景は、まさにセクハラ行為でした。
このおじい様どこまで本気で言っているのかわからない方でした。
セクハラ行為は収まったものの退去してもらう事に
激しいセクハラ行為は収まったものの、まだ完全に収束したわけではありませんでした。
施設長:「まぁそのへんは許してあげてくださいww」
この発言が女性スタッフの怒りを買うことになり、女性スタッフは、
「たとえ男性スタッフがいないときでも一切おじい様の面倒は見ない。もうこれ以上のセクハラ行為には耐えられない」
という声が上がりました。
あたり前ですよね。
施設長もセクハラ行為を自分の目で確認するべきだったんです。
なんでも基本的にスタッフ任せの施設の体質が悪い方向に出た結果です。
「おじい様がこれからも残られるのであれば、退職します」というスタッフが次々と出てきたのでさすがに施設長も退去の方向で考えるしかありませんでした。
この1か月後、おじい様は退去されるのでした。
最後に:介護業界の悪しき習慣を目の当たりにして

最後に、今までテレビや人から聞いた話でしか知らなかった「入居者様のセクハラ行為」。
いまだにトラウマ級にセクハラの瞬間を覚えています。
ここで思うことは、女性スタッフは本当に大変なんだなと、相当我慢しながら仕事をしていたんだなと。
「セクハラ行為はよくあること」
なんていう昔からの介護業界の悪しき習慣を目の当たりにして、深刻な問題であることを改めて痛感しました。
「介護士ならある程度のセクハラは覚悟しないとね。プロなんだから。」
プロはセクハラを我慢しないといけないなんてどこにも書いていませんよね?
入居者に尊厳があるように、職員にも尊厳はあるんですよ。
言い方は悪いかもしれませんが、ベテランスタッフほどその悪しき習慣に慣れてしまっていて、セクハラは介護士にはつきものなんて考えがあるような気がします。
それが、今もなお受け継がれていることで、なかなかセクハラ被害の報告が上がってこない気がします。
施設側も、セクハラ問題をもっと重く受け止める必要があると思います。
ヒヤリハットや事故報をやたら書かせるのであれば、セクハラ被害も絶対に書かせる必要があると思います。
入居者ファーストもいいですが、もう少し職員への配慮もしていかないとこれからいい職員が育っていかないのではないでしょうか。
ほんとに考えさせられる出来事でした。
最後まで読んでくださってありがとうございました。